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小さきものを愛おしむ

日々思うこと、好きなもの、いろいろ綴る。

「題名のない音楽会」は休日の朝によく合う。

題名のない音楽会」これは私の子どもの頃から放送されていると記憶している。念のため調べてみると1964年スタートらしい、もう50年、サザエさんもびっくりの長寿番組である。当初は確か指揮者の山本直純さんが出演していたと思って調べると初代司会は黛敏郎さんで、その後永六輔さん、武田鉄矢さん、羽田健太郎さん、佐渡裕さんと来て、現在五嶋龍さんとなる。あれ?山本さんは司会じゃなかった?でも確かに出演はされていたように思うが、公式には名前がない。指揮者で出てらしたのかな、まぁそれはそれで、深く拘らない。それより、音楽に深く携わる方々の司会の中で、武田鉄矢さん?と思ってしまった。すみませんね、海援隊と言うグループで大ヒットもありましたね、仲間外れクイズかと勘違いしてしまったわ。

 

それにしても、番組名「題名のない音楽会」とは良く名付けたものだなと思う。本当にクラシックに拘らずいろんなジャンルを聴かせてくれて、食わず嫌いだったゲーム音楽や、初音ミクとかも興味持った。

それでも、この長寿番組を最初からずっと見ていたわけでもなく、ついつい忘れてしまう時間帯で、思い出した時に見てはいたけれど、ビデオのデッキを買い換えてから自動的に録画してくれるようになり、忘れずいつも見ることができるという幸運に恵まれている。休日の朝はクラシックが似合う、その前の時間帯にラジオのシンフォニーホールアワーという番組があり、これも合わせて、お休みの日だなぁとのんびりできる心地よさがある。

 

そして今欠かさず見ている理由の一つが、ヴァイオリンが良く演奏されるということである。現在の司会はヴァイオリニストの五嶋龍さん、オープニングで番組のテーマ曲が彼の演奏で流れるが、それでもうワクワクする。私は不勉強で、この番組を見るまで彼の存在を知らなかった。あの天才五嶋みどりの弟ということだが、彼もやはり天才なんだろうか、技術のことは良く分からないが、音楽が好きでたまらない、演奏が楽しくてたまらない、皆さんも楽しんでよ、というオーラが演奏している彼からバンバン伝わる。好きか嫌いかと聞かれたら、好きだ。音楽は音を楽しむと書く、楽しくなくちゃね。

彼のヴァイオリンを聴くだけで十分だったが、ブログに書くにあたって彼の経歴をググってみたら、アメリカ生まれで、なんとハーバード出てはるとか。あやや、天才なのはヴァイオリンだけではなかったか、それとも両方とも秀才なのか。

でもこういう人たちは、間違いなく努力もすごいと思う。彼の場合、出生に何かしらあり、きっと悔しい想いなども経験しているだろう、姉と比較されたりもするだろう、それでもあんなに音を楽しむことができるなんて、やっぱり天才なんだろうな。

 

でも残念なことに、彼の司会はこの3月で終わりらしい。新司会者は石丸幹二さん、劇団四季で活躍された日本を代表するミュージカル俳優のお一人である。彼の貴公子然としたところとか品があって私は好きなので、これも楽しみ。余談だが、現在ドラマなどでいろいろ活躍されている堀内敬子さんは石丸さんと四季で同期だそうだ。

でも、私の好きなヴァイオリンの出番は少し減るのかな、それは寂しいなぁ。

 

さて、この番組が放送50年を迎えるということで、最近2500回記念のちょっと力の入った企画を放送してくれている。ウィーンフィルの精鋭たちのアンサンブルは、ラフな服装もあって、その辺の兄ちゃんたちが軽く演奏しているようで実は凄いという何かワクワクする企画だったし、その次の第9とプロジェクションマッピングとのコラボも、「えーいま年末だっけ?」というような贅沢なもので聞き応えがあったし、今日の放送では、様々な音楽コンクールで勝ち抜いてきた若き音楽家8人のアンサンブルで、普通の演奏会ではありえない顔合わせだとか。そうだよな、ナントカコンクール優勝といえば、それだけでソロで招待されるような器だもんね。だから皆さん気が強くて、練習の時は合わせるのが大変だった、とどなたかがポロしていた。いいのかー?そんなこと言っちゃって。

それにしても、コンクールって顔面審査もあったっけ?というくらい、皆さんお美しい&イケメンで自信に溢れている、そりゃ気も強くなるわな。でも腕は流石、痺れた。

 

そして次に現れたのが、かの辻井伸行さん。このアンサンブル➕五嶋さんをバックにショパンを演奏された。何と贅沢な面子、こんなの何万出したって聴けないよ、テレビ朝日凄いよ。

ところで辻井さんのことはもう何も言わずともいいだろう、けれど、私は今日彼の演奏が始まった途端泣いた。自分でもびっくりした。彼の演奏はもちろん聴いたことがあるし、素晴らしいのも知っていた。でも、始まったピアノのあまりにも澄んだ音に思わず涙が出たのだ。ピアノを聴いて泣くなんてどのくらいぶり?というか、こんなに美しい音色ってそんなに聴けない気がする。

何でもそうだろうけれど、人が発したものにはその人の魂が宿ると思う。だから機械ではなく、人が生み出すものはそれぞれみんな違うものを持っている。

辻井さんの演奏を聴いて、あぁこの人は本当に心がきれいなんだろうな、としみじみ思った。伝わるものは、ただただ愛情だった、そして音楽を心から楽しんでいた。心が洗われるというけれど、今日私は本当に心が洗われる思いだった。感謝感謝、朝からホントに良いものを聴かせてもらった。

 

その人の魂が宿ると言ったけど、特に音楽にはその人の心持ちも反映されるような気がする。音楽が好きで、それを伝えたくて、楽しんでもらいたくて、という人の演奏にはやはり心を動かされる。私の好みもあるかもしれないが、自分に酔っていたり、テクニックばかり意識するような演奏に出会うと、たとえ上手くても聴きたくなくなる。

でも今日は楽しかった、今度彼の演奏会行ってみたいと思った、もちろん五嶋さんも。